以下に主な英語発音と日本語発音の違いを記す。英語発音が上達する過程は、以下の差分を理解し、実際に埋めてゆき、最終的には無意識に正しく発音することである。
1.リズム
日本語はMora-timed languageと分類される。他方で英語はStress-timed language言語である。オランダ語、ドイツ語も同様にStress-timed languageである。Mora-timed languageは発音に強弱がなく個々の音を均一に話すため平坦に聴こえる。他方でStress-timed languageは強く発音する箇所と弱く発音する箇所が交互し、リズミカルに聴こえる。北原真冬教授曰く、英語発音と日本語発音の違いの中でも最重要項目はこの「リズムの違い」である。
2.母音・子音の種類、数
日本語の母音の数は、あいうえおの5個である。他方でアメリカ英語は21個、イギリス英議は19個とされる。人間は生まれた時は全ての母音や子音の違いを判別できるが、徐々にその能力が失われる。しかし、成人してからも訓練によって能力を取り戻すことは可能である。
子音も英語にはRやTH、Lなど日本語にはないものが存在する。母音と比較し子音は習得が容易である。RやTH、Lをしっかり発音できるようになるだけでも、一般的な日本人英語話者と比較すると相当な進歩である。
3.リンキング
アメリカ英語は単語間のリンキングが顕著に起こる。他方でイギリス英語はそこまででもない。イギリス英語はリンキングが少ないため、聞き取りやすいという日本人は多い。一応、日本語にもリンキングは存在する。
例:反(はん)+応(おう)=Han + ou = hannou (はんのう)
4.筋肉の使い方
日本語話者は、自分たちでは気づいていないが口の周りや喉の筋肉が比較的、緊張している。弦楽器の弦をピンと張っているイメージで、音がクリアで硬く高い印象を与える。他方でアメリカ英語話者は口の周りや喉の筋肉を弛緩させている。弦楽器の弦を緩めているイメージで、音がぼやけており低音が効いている印象を与える。
また、Stress-timed languageはリズミカルに発声するため、腹筋の筋肉を上手に使って空気を押し出すことが要諦となる。
なお、英語は主に口の前の方を使って発音する。反対に中国語は口の奥の方を多用して発音する。